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スマホと視機能について

先日、学会がありました。デジタルデバイス時代の小児の視機能管理というテーマでした。当院は小児科に併設していることもあり子どもの受診も多いことからぜひ聞いておきたいと思い参加してきました。

今までもよく言われていたことですが、学校教育で11台タブレットを使って授業をするというGIGAスクール構想が推進され、さらにコロナにより屋外活動の減少とデジタルデバイス視聴時間の増加も相まって、小児の近視が増加しているようです。強い近視になると、大人になってから黄斑変性や緑内障、網膜剥離などになるリスクが高くなります。近視になると眼鏡をかけないといけないのでかわいそうだと思う親御さんが多いと思いますが、眼科医の視点では眼鏡をかけないといけないということより病気になって眼鏡をかけても見づらい状態になってしまうことを心配しています。近い距離で物をみることによって近視化が進むと考えられています。読書や勉強は大切なのでどうしても必要な作業はありますが、姿勢をよくしてなるべく距離をとってみること 、また12時間の屋外活動により近視抑制作用が働くと言われていますし、近視抑制の点眼やサプリメントもあります。特に気をつけたいのがスマホで、スマホ使用は読書やタブレットよりもさらに視聴距離が短いのでより近視化への負荷がかかってしまいます。急性斜視の発症や、斜視の悪化なども懸念されています。子どもはすぐスマホ貸してと言って、YouTubeやらゲームをしたがりますが、なるべくテレビ画面で見せるようにしたり、せめてタブレットにするなど気をつけて頂ければと思います。